【 藤丸 】『 金糸雀の坂道 』をレビュー。

3.0
★★★☆☆
不思議な世界で不思議な出会いをした記憶喪失の2人。

この話は単行本『 ユアソング 』に収録されています。

お話の核をネタバレしてしまうと楽しみが半減するタイプのエピソードですので、

なるべく気を付けてレビューします。

前作ラブミーテンダーのとある話から派生した単行本なので、

そちらを先に読んでからユアソングを読むと2倍楽しめます。

正直な話、このエピソードには回以上お世話になりました。

こんな人にオススメ

・金髪ロングの未亡人風の美女が好み

・ちょっと気弱でMっ気のあるお姉さんに興奮する

・「喫茶店の女店主」というワードにときめく

・エロゲは抜きゲーより泣きゲー派

・混じりっ気のない純愛モノで抜きたい

・竿役はSっ気のあるイケオジがいい

こんな人にはオススメできない

・基本的に抜くのは胸糞系かNTRモノ

・美女より美少女、なんなら美幼女がいい

・竿役はか弱いショタか汗まみれの汚いおじさんがいい

ユアソング を見てみる

シチュエーションについて。

・事故で記憶を無くした喫茶店の女店主(名前なし)

・事故で記憶を無くし喫茶店に迷い込んだピアニスト(名前なし)

の記憶喪失ロマンスHモノ。

■■

世界観についての補足

・毎年水位が上がり人が住めなくなっている世界

・住めなくなった人は宇宙ステーションに移住している

・宇宙ステーションで事故が発生し記憶喪失や脳障害が多発

■■

一匹の金糸雀が羽ばたいた。

朝陽が水面に反射しキラキラと光り輝いている。

『お――――い』

『一体どこまで連れてこうってんだ―――?』

とある男が訳も分からずフラフラと石段を登っていた。

何故か金糸雀に急かされており、ようやく石段の頂上へ到達する。

『お…』

頂上にはポツリと一軒の喫茶店が建っている。

喫茶店の前にはホウキで掃除している女性の姿と鳥籠があった。

長い金髪とどこか憂いを帯びた表情をみせる謎の女性。

興味を持った男は喫茶店に入ってみる事にした。

.

『辿り着いたら喫茶店とは気が利いてる かしこい鳥だ』

『にしても不思議ですな カゴに入るでもなくどこへ行くでもなく…』

『いつもああして佇んでます…なんだかすみませんご迷惑を…』

男は店内に入り金髪の女店主にもてなされる。

『いやなに どうせヒマだったし冒険みたいでしたよ』

『オマケにこんな美人に迎えられたら文句なんて』

『や やめて下さい そんな』

顔を赤らめ照れる女店主。

褒められ慣れていないのか初心な反応が面白い。

『おや…えらいアンティークがあるな 珍しい』

『お姉さんピアノなんかやってんの』

『あ いえ…たぶんやってないと思います…』

『たぶんって?』

『すみません 私』

『事故で記憶が飛んでるんです』

謎の男と謎の女店主の物語が始まる―――――――――

ユアソング を見てみる

見どころ 作りこまれた世界観と昭和のドラマ的な展開

自分に自信がない女店主とダンディを形にしたようなピアニストが出会い

記憶喪失というワードで繋がって恋に落ちる。

意外とエロ漫画では見かけないシチュだなぁと感じたのが管理人の第一印象。

ところが、このお話以外にも至る所に伏線が仕掛けられており、

そこに気付いた時に脳汁がドバドバ溢れ出る作品に仕上がっている。

一度読んだだけでは気付かないかもしれないので、もし波長が合いそうなら

2~3周ほど読み返してもらいたい。

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また、このお話自体にも抜けるシコり要素が大量に含まれており、

ロマンティック・ラブ♡な展開に勃起が止まらない。

Mっ気の強い女性が好きな管理人としては、女店主が自然と服従するような態度で

男に尽くし媚びている姿におギンギンになってしまった。

オスを強く感じるような男に言葉責めされ、「ひどい…」と呟きながらも

身体をしならせながら発情しているといえば伝わるのだろうか。

意図せず加虐心を煽るようなタイプの女性。それがこの女店主なのである。

更に良い点は、これがムリヤリ系ではなくド純愛であるということ。

お互いに望んで関係を持っているのでそこは安心して読んでほしい。

この単行本をオススメする理由

やはり単行本一冊全てにおいて世界観が統一されているという点。

「水位上昇世界」とでも呼べるような、独特の世界観がとても面白かった。

シコりにおいてストーリー性を重視するタイプの方はベスト10入りするのでは?

と思うほど完成度の高いものになっている。

「荒廃都市」「近未来SF」「幽霊が見える世界」「宇宙ステーション」といった

単語が好きな方は間違いなくオススメできる。

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参考までに収録されているシチュエーションは以下の通り。

単行本の主人公の男「ひろ」とヒロイン「紗和」の学生時代の話

2.高校生幼馴染が悪いおじさんたちを押しのけてカップルになる話

3.貧乳の幼馴染JKが隣に住む好きな男子のために育乳する話

4.孕まない女研究者と孕ませられない男研究者がお互いに研究し合う話

5.青春を楽しめなかった地味なJKが仲の良い駅員のおじさんを誘惑する話

6.無自覚に男を誘惑する青果店の女性が出張でいろんな男たちに襲われる話

7.牧場で牛を育てている男が亡くなった牛に恩返しされる話

8.テニスが好きな女子が幽霊の男子と一緒にテニスを練習する話

9.この話

10.シスター型アンドロイドと病気で人生を諦めた青年の話

11.単行本の主人公「ひろ」に幽霊になった「紗和」が会いに来る話

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個人的にはストーリーが良かったもの、シコリティが高かったものがあり、

【ストーリー】 1、3、4、8、9、10,11

【シコリティ】 1,3,4,5,6,8,9,10,11

となっている。

最後に。

個人的評価は★★★☆☆の3点。

この単行本はどちらかというと★3が合わさって★6になるみたいな印象。

ギャグあり、ヌキありのイメージが強かった藤丸先生のエロ漫画で泣く日が来るとは…

アンタはどこまで魅せてくれるんだよぉ!と感動して叫びたくなるお話でした。

しっかり抜きましたけどね。そこは大事。

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